このイベントに様々なご支援を頂いたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
先日、本番の会館入り前の最後のリハーサルが終了いたしました。
東海三県の様々な出演者が何度も何度も練習しました。
遠く移動してかけつけてくれた舞台の仲間たち、ありがとうございます。
ダンスイベントの練習には福祉施設にも何度か出向きました。
はじめて施設を訪れて施設長とお話をさせて頂いていた時、スタッフの方が神妙な趣で、
「ちょっといいですか」
と施設長を呼び出されました。
出来て間もないその施設の敷地内に不審者が入って来ているというのです。穏やかに会話をしていた施設長は、いきなり険しい顔つきに変わり、
「ちょっと、すいません」
とその侵入者に向かっていかれました。
施設に並ぶ新しい車のタイヤを物色していたそうです。声をかけると、そのままポケットに手を入れて施設の策を超えて消えていったと。
「あの事件以降、監視カメラが多く設置されていますから」
と施設長。
「あの事件って、相模原のことですか」
とお聞きすると、
「そうです」
と。
何も持たず、何者かもわからない不審者に真っ直ぐ向かっていかれた施設長に、あとで胸が熱くなりました。
高齢者は高齢者、障がい者は障がい者、何でも分けられていく社会に生きていくうちに、多様性を認めるという生き方を選択する前に、既に障がい者の人生の重みや、高齢者のこころもとない日常を、想像することすらできない、心の貧しさのようなものが、私たちの中に生きている気がします。
本名も名乗らないようなネット上のマイノリティーへの批判の数々は、相模原の事件以降増えているとも聞いています。
丸腰で真っ直ぐに侵入者に向かって行かれた施設長のような良心が、誰の心の中にも生きているのに、一度も焦点をあわせないうちに、人生を終えてしまうことも出来るかもしれない。多様性をいくらでも認める、穏やかであたたかな平和な世の中は、国や社会に任せることではなくて、ひとりひとりの不断の努力や、強さでなりたっていくのではないかと思うようになりました。
何度も練習する各会場で、汗だくになって共に踊っているうちに、会場で生まれる、たくさんの花が咲いたような笑顔や、まっすぐ踊りに向かっていくまなざしに、価値観の壁など簡単に飛び越えて見せる強さを感じます。
強さをいっぱい教えてくれてありがとう!
間もなく本番、共に舞台に立てることを誇りに思います。
顔晴ろね!
LOVE&PEACE2017